Google Apps for Work 導入で独自ドメインを Gmail で利用できるようにする際の注意点(1)- DNS設定 ~Google Apps 覚書き~

先日、一介のフリーランスのくせして、Google Apps for Workを導入してみました。

きっかけは、大容量クラウドストレージが欲しくて、1TB/月1200円の安さに惹かれてGoogle Driveの有料プランに申し込もうと思ったところ、同じ金額で Google Apps for Work も使えると分かったこと。(ちなみに、Google Apps for Workの場合、6ユーザー以上で使うと容量無制限になる(5ユーザー以下の場合は1TB/1ユーザー))

それならば、仕事で使っている独自ドメインのメールもGmailで使えるようになるし、その他諸々便利になるんじゃねーか!ということで、申し込んだは良いものの、Gmailで独自ドメインのメールを使えるようにするのに、予想外につまずいたので覚書き。

私と同じように、Google Apps for Workの申込みの流れに沿ってGmailも設定したはずなのに、ん?メール受信できない??となった人達のためになれば幸いです。

(本題に入る前に…)通常のGmailでも独自ドメインのメールは使える

そもそも、無料で使える通常のGmailでも、「設定(歯車のマーク)>アカウントとインポート>メールアドレスを追加&自分のPOP3メールアカウントを追加」で設定すれば、独自ドメインのメールの送受信が出来ます。私も、そのようにして仕事用のメールをGmail上で送受信していました。

それで事足りるなら、わざわざお金を払ってまで Google Apps for Work を利用するまでもないでしょう。

詳しい設定方法は、他の方が書いているのでそちらを参考にしてください。

参考:Google Appsを使わずに独自ドメインのメールをGmailで使う。
※POPサーバーなどの入力内容が分からない場合は、自分が借りているサーバー元などで調べれば分かります。例えば、さくらインターネットの場合はここに書いてあります。

それでは、本題に入りましょう。

Google Apps for Work で独自ドメインメールをGmailで使う場合は、DNSの設定が必要

これが、つまずいた元凶。。サーバーサイドの設定が必要とは思っておらず、迂闊でした。てか、よく考えたらそうですよね。。
元々、上のやり方で無料Gmailで送受信していただけに、設定は簡単に終わるだろうという考えが甘かったです。安易な気持ちで導入するもんじゃないですね。

参考:設定について

私の様に、なんでそんな設定が必要なんだー??って人のために、、
なぜDNS(ネームサーバー)の設定が必要かというと、Googleのメールサーバーを使って独自ドメインメールを運用することになるからです。これは、ドメイン取得して、レンタルサーバー借りた時に、DNSの設定をするのと一緒ですね。今回はGoogleのサーバーを借りるということになります。

ちなみに、借りるのはメールサーバーだけなので、メールがGoogleのサーバーに届くように設定すればOKということになります。そのために必要な設定が、下記で説明するMXレコードというワケです。

既に独自ドメインでメールを使っている場合、MXレコードを変更して、メールの配達が、現在利用しているメールサーバではなくGoogleのメールサーバーに届くようにする。そうすることで、「メールだけGoogleのサーバー、webページは今借りてるサーバー」という利用の仕方が出来るようになります。

ちなみに、先ほど紹介した無料Gmailで独自ドメインを送受信するやり方は、GmailをOutlookのようなメールソフトとして使うことと同じです。なので、メールサーバーは自前もしくはどこかで借りたものを使って、そこに届いたメールをGmailを使って受信するという仕組みなので、Google Apps for Work のものとは、運用の仕方が根本的に違うわけです。

まぁ、そんな違いも分からない素人フリーランスが調子乗ると、出来るフリしてつまずくハメになる良い例ですね(笑)

しかも、DNS設定についてほとんど知らなかったので、MXレコードとか普段聞きなれない用語が飛び交い、調べながらの対処で一苦労でした。。

基本的にはMXレコードを設定すればOK

さて、DNSとはなんぞやというとのは、実際、私よく分かっていないので(笑)詳しい説明はここではGoogle先生に任せるとして、とりあえず「DNS=そのドメインがどこ(のサーバー)で運用されているか教えてくれるもの」という大雑把な解釈で済ませておきたいと思います。

そのDNSの設定の中で、メールサーバーはどこか?というのを示すものが、MXレコードです。
この値をGoogleのサーバーを示すものに設定すれば、とりあえずはGmailで受信できるようになります。

まず、Google Apps for Work に申し込むと、最初のステップに沿って登録すると、Gmailに独自ドメインメールが設定されると思います。この時点では、受信ができない状態なはずです。(確か送信はできた気がします。)
まだMXレコードを書き換えていない状態なので、それまで借りていたサーバーでは送受信できます。

ちなみに、Googleのヘルプに方法が書いてあるのですが(参考:MX レコードを設定する)、私の様な素人フリーランスにはよく分からない(笑)いつも思うんですが、Googleのヘルプって丁寧なフリして分かりにくいですよね…。

結局のところ、下記の値をMXレコードに設定すれば良いということです。

参考:Google Apps の MX レコードの値

DNSは、レンタルサーバーやレジストラ(お名前.comの様なドメイン販売業者)など、そのドメインを管理しているところで設定できます。MXレコードの設定手順は検索すればすぐに出てきます。
その手順に従って、上記の値を設定すれば、Gmailでメールが使えるようになります。

ここまでは良いのです。ここまでは何とか分かるのですが!!

どうやら、MXレコードだけを設定すれば良いってもんじゃないようです。。もちろん、場合によってはMXレコードの設定だけで済むこともありますが、ドメインの管理場所、利用しているDNS、レンタルサーバの組み合わせによっては、MXレコード以外の設定もいじる必要があるみたいです。

ここが、最大のつまずきポイントでした。

ドメイン管理がお名前.com、レンタルサーバーがさくらインターネットの場合のDNS設定

を調べていたら、まさに設定方法を先に公開してくれている人がいました。感謝!!

参考:ドメイン=お名前.com、サーバ=さくらのレンタル、メール=GoogleAppsの設定方法

私もちょうど同じ組み合わせだったので、これを見て安心して先に進めたのですが、では、何につまずいたかというと、プライマリ・セカンダリネームサーバーの設定を変えなきゃならないという点です。(この記事の人も同じところでハマったみたいなので、やっぱり専門でない人には分からないところですよね。。)

他社でドメインを管理していて、さくらのレンタルサーバーでドメインを使用する(webサイトを運用するなどの)場合、ネームサーバー(DNS)の情報を下記の様に設定するように言われます。

プライマリネームサーバ ns1.dns.ne.jp
セカンダリネームサーバ ns2.dns.ne.jp

こうすることで「さくらのDNSを使う」ことになります。

とすれば、さくらのDNSの設定を変更すればOKとなるはずなのですが、「他社でドメインを管理していて、さくらのレンタルサーバーでドメインを使用する」という条件の場合、さくらのDNSの設定をいじることが出来ません。(ドメインをさくらで管理する場合はいじれるようです。)

さぁ、どうする?!となって詰まってしまったわけです。

さくらのDNSの設定をいじるためには、ドメインをさくら側に移管する必要があるのですが、それはなんだか面倒。
そこで登場するのが、上の記事のやり方です。

簡単に言うと、さくらの言うことは無視して(笑)お名前.comのDNSを使い、webサイトはさくらのレンタルサーバー、メールはGoogleのメールサーバーを使うという設定にする方法です。こうすることで、ドメイン管理はお名前.com、サイト運営はさくらのままで運用できます。
(え?さくらのDNS使わなくても大丈夫なの?!と思ってましたが、大丈夫です。マニュアルに使えって書いてあるだけの話なのです。)

※追記:この方法を行うと、コントロールパネルに今回設定で使用した独自ドメインでログインすることができなくなります。ログインには、初期に割り振られるドメイン名(アカウント名.sakura.ne.jp)もしくは、同じサーバーで使用している他のドメインでする必要があります。

参考サイト:さくらのレンタルサーバーで好きなネームサーバーを使用する

設定方法を簡単にまとめると…

■さくらのDNSからお名前のDNSに変更
ネームサーバーの情報→ns1.dns.ne.jp と ns2.dns.ne.jp から 01.dnsv.jp ~ 04.dnsv.jp に変更

■ドメインの運用先をさくらのレンタルサーバーに指定
CNAMEとAレコード→さくらのものを設定(入力内容はコントロールパネルを参照)
※CNAMEはそのドメインが置かれているサーバーのホスト名のこと(さくらインターネットの場合、www○○○.sakura.ne.jp)
※Aレコードはそのドメインが置かれているホストのIPアドレスのこと
※いずれにせよ、そのドメインがどこのサーバーで運用されているかを示すものです。

■メールサーバーをGoogleに指定
MXレコード→Googleのものを設定

ということですね。
これで、ようやくGmailで独自ドメインメールが使えるようになりました!
利用しているドメイン管理業者、レンタルサーバーが他の組み合わせでも同じように出来るんじゃないかと思います。

ちなみに、DNS関連の説明はこの解説が分かりやすいかも?なので、気になる方は参考にどうぞ。

参考:DNSの解説 for ビギナー

以前のサーバーでもメールを使いたい場合は…

さて、さらに悩まされた設定がこちら。

仕事上、自分以外にも独自ドメインのメールを持っている人がいて、自分もしくは特定の人のみが Google Apps for Work を利用している場合、ここで見てきた設定だけだと、Google Apps for Work を利用している人しかメールが使えないことになります。(メールサーバーをGoogleに変更したため。)

しかし、全員がGoogle Apps for Workを導入するにはコスト的に避けたいという場合もあると思います。その対処法を紹介したいのですが、少し長くなってしまったので、次回に譲りたいと思います。