経験者が語る絶対に真似しちゃいけない借金の作り方②~こうして人は借金をして債務整理にたどり着く
経験者が語る絶対に真似しちゃいけない借金の作り方①の続きです。
家族もできて仕事も上向きでようやく逆転人生のスタートだ!と思いきや、その流れに待ったがかかります。
そして、ついに債務整理への道へと進むことになります。
追い打ちをかけるように体調を崩す
フリーランスになってから初めて、半年で数百万円という案件をゲットしました。
自分もようやくここまできたか~という感慨深さと、これで、ようやく軌道修正もできる!と喜び勇んでこの仕事に取り組んだのですが、、
これまでにそんな大きな仕事を引き受けたこともなく、タスク管理、スケジュール管理などのプロジェクト管理能力もノウハウもなく、体当たりで全部自分一人でこなそうとした結果、納期に間に合わず、失敗に終わってしまいました。
売上はプロジェクト期間で毎月入金の契約だったのできちんと頂けたものの、一部の納品は半年遅れ、最終的にはお客さんも喜んでくれたのですが、相当の挫折を味わい、精神的に調子を崩してしまいました。
この時は、もうなんか本当に打ちひしがれたような状態でした。
絶望とかじゃないんですね。なんだか無風みたいな感じで、映像を作る気力が本当になくなってしまいました。
支出より収入の方が少ない状況に
映像の仕事はいったんお休みし、とにかく「自分の好きなコトで稼ぐ」ということは諦めたくなかったので、配送業者の早朝仕分けのバイトをしながら、その頃これなら出来ると思って作っていたハンドメイド作品をネットで売ったりしながら日々を過ごしていました。
それでも返済も含めた日々の支出よりも収入の方少ない状態でした。
映像の仕事に戻れば、実績もあるし比較的大きな金額を売り上げることも出来たのでしょうが、上でも書いたようにその時は精神的な余裕と自信がありませんでした。
この頃はクレジットカードの利用残高が増えていくのを眺めるしかありませんでした。
キャッシング枠を増額して借金で借金を返すようになる
そうなると、今度は借金で借金を返すようになります。
キャッシング枠の増額も今は審査が当時より厳しくなっているかもしれませんが、数年前はインターネットで増額の申し込みが簡単にできました。
枠を増額してキャッシングをし、それを別の会社の返済に充てる。
そうしていく内にキャッシング枠がいっぱいになるのですが、毎月の返済でいくらか枠が空くので、その分借りれるだけ借りて別の会社の返済に充てるということをしていました。
その後は、同じように返済した当日にすぐにキャッシングをして借りてはそれを翌月の返済に当てるを繰り返しました。(実際にはA社で借りてB社に返済して、B社で借りてC社に、C社からA社にとぐるぐる返済していました。)
なんとかしなきゃと思いながらも、どうしようもなく、さらにここまで来るとキャッシングへの感覚もマヒしているので、実際には返済していないのと同じなのにも関わらず、それでも何とか返済しているという感覚にもなってきます。
ショッピング枠が増額→ショッピング枠を現金化→リボ払い
しかし、借金を借金で返していくと、当然ですが利子だけが積み重なっていきます。
すると、その利子によってキャッシング枠が埋まることになり、その内キャッシングが出来なくなります。
そんな状況に陥ったタイミングで、とあるクレジットカード会社から一通の電話が入ります。
キャッシング枠もショッピング枠もほとんど天井付近だったので、一括で返済を求められるのかと思いきや
「ショッピング枠の増額をしませんか?」
というお話でした。
二つ返事で「お願いします」と答え、そのカードのショッピング枠が倍の100万円まで上がりました。
実はその後に気付いたのですが、職業欄が新卒で入社した時のデータのままになっていたことと、枠が天井まで到達していても月の返済は必ずしていたことで、信用力はむしろ上がっていたようでした。
(いくら職業欄に大手の企業名が書いてあったとはいえ、毎月の返済額が最低返済額でしかも枠一杯まで使っているのだから、普通信用力下がるでしょ。と私も思っていましたが、カード会社からしたら良いカモ優良顧客になるんですね。個人事業主で登録していたら恐らく枠が減額していたんだろうなぁ。)
そしてその後、本格的にショッピング枠の現金化に手を出し始めます。
ショッピング枠の現金化がタチが悪いのは、換金率が良くて90%~95%とある意味(年利換算で)超高額な手数料を取られているのと同じであり、かつその返済をリボ払いにするのでさらに利子がかさんでいくという点です。
おかげでいかに高換金率でクレジットカードを現金化するための知識は付きましたが、ここからリボ地獄へと突入していくことになります。
銀行のカードローンでおまとめローンをするも効果なく
あちこちから借りて借り入れ箇所が増えてくると、それぞれの会社ごとに最低支払額が決まっているため、月々の返済額が増えてきます。
これが結構キツイんですよね。
そんな時、次に考えるのは必ずと言って良いほどおまとめローンだと思います。
ご多分に漏れず、私もおまとめローンのための銀行系のカードローンを申し込みました。
それで結局100万近く借りたのですが(ここは個人事業主でも借りれました)、半分ほどを使っていくつかのカードを返済して解約するも、手元にお金が入ってくるとどうしても生活費などに充ててしまい、全てをおまとめに使うことはありませんでした。(これもきっとよくあるパターンだと思います…)
そして、性懲りもなくまたもやFXに手を出すという超絶愚かな行為に出たりもしました、、、
結局、このせいで数十万の借金を重ねることになってしまいました。
本当に愚かですよね。
頼みの綱の生命保険の契約者貸付も底がつく
その頃、貯蓄型の生命保険の場合、契約者貸付というのがあるということを知り、そこからお金を引き出して返済に充てるということもしていました。
しかし、この枠も底をついてしまいます。
ここまで来るとクレカが使えなくなると本当に困るので心理的に債務整理ができない
きっと、多重債務者の人の心境ってこれがあるだろうなと思います。
任意整理であっても(個人再生や自己破産とまでいかなくとも)、債務整理をすればその時点で信用情報に傷がつき、ブラックリストに載ります。
すると、当然、クレジットカードは使えなくなります。(任意整理の場合は整理を除外したクレジットカードは更新日までは使えます。)
(ちなみに、キャッシングで借金を借金で返済していても、期日通りに返済していれば信用情報に傷がつかないのでブラックリストには載りません。)
この頃にはすでにクレジットカードへ依存しているので、それを失うことへの恐怖はとてつもなく重いものとなります。(一回整理しちゃえばそれもすぐに吹き飛んじゃうんし、クレジットカードなくても実際は何とでもなるんですけどね。依存って本当に怖いですね。)
敗者の烙印という恐怖
それ以外にも
- ブラックリストという敗者のレッテルを貼られることへの恐怖
- 多重債務者の烙印を自ら押すことへの恐怖
- 債務整理という未知のものへの恐怖
などによって、債務整理になかなか踏み出すことができません。
こうやって対応がズルズルと先延ばしになり、月末になると焦りだし、返済が出来た翌月初めは強気になるという、多重債務者の典型的な精神状態で毎月を過ごしていました。
金額が大きくなり過ぎて首が回らなくなってようやく任意整理へ
さて、そんな私も上に挙げたような理由でなかなか債務整理に踏み出せませんでしたが、とうとう借金で借金を返すことも出来なくなり、もうすぐに経済状況が改善する見込みもなく、ギブアップして任意整理のために弁護士の先生へ相談にいきました。
この時の総額は、最初にも言いましたが800万円程です。
奨学金には返済猶予の制度があるのでそちらを使うということで任意整理から外し、また、Suicaのオートチャージが使いたいというしょうもない理由で(汗)VIEWカードも整理から外した残りの4社を整理して(最終的にはVIEWカードも追加で整理することになりました)、将来利息のカット、5年間計60分割での返済ということで和解が成立し、半年間の返済猶予後に返済を開始しました。
なぜもっと早く任意整理をしなかったのかと後悔
また別の記事でも詳しく書こうと思っていますが、勇気をもって一度整理をしてしまえば「なんだこんなものだったのか。もっと早くしておけばよかった。」と絶対に思います。
全然恐くないんですよ、任意整理は。
てか、こんな制度を用意してくれて本当にありがたいなぁと感激してしまうくらいです。
私と同じように借金で借金を返し始めるとどんどん利子が増えていきます。
私の場合、奨学金を除いたら400万円程の借入があったわけですが、これに年利14.7%の利子が付くとすると、単純計算で年間58万8千円の利子が付くことになります。つまり、1年後の返済額が460万程になっているということです。(実際は複利だったり月の返済もあったりなので変動します。)
任意整理であれば、この将来利息が全部カットになります。となると、この利息の約60万円分が免除になり、その文余裕が生まれて、実際には早く返せるようになるワケけです。
個人再生や自己破産であれば借金の総額自体が減額になります。
それぞれに、メリット・デメリットはありますが、任意整理であればブラックリストに載るぐらいで、特段のデメリットはありません。
もし、借金で苦しんでいる方がいれば、私の様にまずは任意整理から始めてみることを強くおススメします。
ブラックリストに載ったら今後住宅ローンとか借りれなくなるんでしょ…
という理由で踏み出せない人もいるかもしれません。
「事業性資金も借りれなくなっちゃう」と思う人もいるかもしれません。
でも大丈夫、世の中ローンに頼らなくても起業したり家を手に入れる方法はいくらでもあります。
もしどうしても借りたいのであればその方法もいくらでもありますから!
今後大きな資金を借りれなくなることを心配するよりも、まずは今の借金の利子も含めた総額を減らして、早く返済して、手元資金(頭金)を増やしていくことの方が超重要です。
もし、今後起業したり家を買いたい人の場合は、それこそ最優先で借金を減らしてください。
このお話、実はまだまだ続きます
「絶対に真似しちゃいけない借金の作り方」はこれにて一旦終了です。
これで完済、めでたしめでたし。
なら良いのですが、この話、実はさらに続きます。
その後、任意整理の返済もままならなくなり滞納してしまいます。
その間に、数秘術や引き寄せの法則との出会いもあり、私はとある決断をしました。
任意整理後に返済をしないとどうなるのか、そして、その決断とは。
気になる方は、ぜひ続きをご覧下さい。
おまけ
せっかくなので、引き寄せの法則の観点から少し。
引き寄せの法則的に考えると、意図的でない(戦略のない)借金は借金を生むだけだと今では強く思います。
そういう意味で、ポジティブな借金とネガティブな借金はあると思います。
「この借金をすることでこれだけのものを得られるし、返済もできる」
という強い覚悟と確信があれば、借金は決してネガティブではないと思います。
また、返済に困っている状況で強く「お金が欲しい!」と願うと、私の様に借金の枠が増えたり借入先が増えるなどして、「お金も増えるけど借金も増える」という状態になりやすいんじゃないかなと思います。
「お金が欲しい!」という強い波動は、「お金」を引き寄せもするけど「よりお金が欲しいと思う状況」も引き寄せるわけで、「借金に依存している」波動も自分から出ているとしたら、結果的に「借金によってお金を手に入れる」という状況を引き寄せてしまうのは、非常に理に適っているなと思います。
そんな流れから脱するには、「きちんと返済して額がどんどん減っていってる」ことを肌で実感することによって、自身から「借金を返せている」波動を出していくことだと思います。
もしくは、借金をしていても「その状況を楽しむ」ということでしょうか。
結局、病も気から、借金も気からです。
借金のせいで生活がめちゃくちゃだ…と悲嘆にくれるよりも、きちんと返して自分を安心させてあげること、
もしくは、いっそのこと借金そのものを楽しみきってしまうなど、
「精神的に楽になる」ことを最優先に判断をしていくことが引き寄せの法則的に見た借金克服の秘訣だと思います。